♻ 鋳物ってじつは、すごくエコなんです

    

武杉製作所のロストワックス鋳造が取り組む、サステナブルな未来

「鋳造って、なんだか煙や熱でエネルギーをたくさん使うイメージ…」そう思っていませんか? 実は、ロストワックス鋳造は製造技術の中でも特に環境にやさしいプロセスのひとつです。武杉製作所では、この技術の特長を最大限に活かしながら、さらなる環境負荷の低減に向けて日々取り組んでいます。

鋳造の種類

そもそも、鋳造はなぜエコなのか?

切削加工と比べてみると、よくわかります。

削り出し加工(切削)の場合、金属の塊からどんどん削って形を作ります。削った分の金属は「削りくず」として廃棄されたり、再処理が必要になります。一方、鋳造はほしい形に近い状態で金属を流し込むため、余計な金属ロスがほとんど出ません。

  • 無駄な金属ごみが少ない → 資源をムダにしない
  • 切削加工の時間・工程が減る → 省エネにも貢献
  • ニアネットシェイプ(最終形状に近い形)で製造できる → 加工コストと環境負荷を同時に削減

材料をとことん再利用する

金属スクラップを「宝」に変える

武杉製作所では、製造過程で出るスクラップ材(不要な金属)をただ捨てません。それらを集めてインゴット(金属の塊)に再加工し、ステンレスや鉄などの原料として再び使用します。

  • 不良品が出ても、溶かして再利用 → ゴミにしない
  • 鋳造に使う「ツリー」(製品を繋いでいる部分)もカットして溶かし、再び原料へ
  • 高品質が求められる製品には、精製したインゴットを使用 → 品質と環境の両立

ワックスも無駄にしない

ロストワックス鋳造では、最初にワックス(蝋)で製品の形を作ります。このワックスも大切に再利用しています。

  • 「脱蝋」工程で溶け出したワックスを回収し、再び成形に活用
  • 熱をあてて吸い取り、繰り返し使える仕組みを構築

※ ワックスは使い続けると少しずつ劣化するため、状態を見ながら管理・交換しています。

エネルギーの使い方にも工夫を

ここは正直に申し上げます。ロストワックス鋳造では電気炉を使って金属を溶かすため、電力消費とCO2排出は避けられない課題です。

そこで武杉製作所では、現在できる取り組みとして「夜間電力の活用」を進めています。電力需要が低くなる夜間に溶解工程を集中させることで、電力負荷を分散させ、エネルギーを効率よく使う工夫をしています。

さらに将来的には、再生可能エネルギー由来の電力選択も視野に入れており、電気炉そのものの環境負荷を根本から下げることを目指しています。電力の選択次第で、電気炉を使う製造業のCO2排出は大きく変わる可能性があるからです。

正直に伝えたい、今後の課題

「エコな会社です!」と言いたい気持ちはありますが、課題も隠さずお伝えします。

  • 電気炉の使用による電力消費・CO2排出はゼロではない
  • 再生可能エネルギーへの完全移行はまだ途上

2050年カーボンニュートラルという目標に向け、一歩ずつ着実に取り組みを続けていきます。

エコ鋳造を目指して

「エコ鋳造」は、今も未来もつくり続ける

ロストワックス鋳造は、もともと資源を無駄にしない合理的な技術です。武杉製作所はその強みを活かしながら、材料の再利用・エネルギーの効率化・環境規制への対応を積み重ねることで、「ものをつくる責任」と「地球への責任」を両立させようとしています。鋳造の歴史は古く、でもその未来はまだ続いています。私たちの挑戦も、まだ始まったばかりです。